ひざ痛とは
- 杏雲堂 いわき漢方堂
- 2024年6月12日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年6月15日
今まで気にならなかったのに、気がついたら膝が痛い。
しかも痛みがひどくなっているような気がする…。
曲げると痛い。
“膝の痛みなんか大したことない”と言って放っておくと、だんだんと痛みが強くなり歩くのに支障が出てきてしまうことも。
そうなる前の早めの対処が大切です。
ひざの構造は複雑!
膝はカラダ全体を支え、さまざまな姿勢や動作に関わっていて複雑な仕組みを持つ関節です。
関節とは骨と骨が連結している部分のことをいいますが、
膝は
大腿骨(太ももの骨)、
脛骨(すねの骨)、
腓骨(脛骨の外側にある骨)、
膝蓋骨(膝のお皿)の4つの骨からできています。
また関節の動きをスムーズにしたり安定させたりする、骨のまわりは軟骨(関節軟骨、半月板)というクッションで守られています。
このように軟骨で守られた4つの骨からできている膝関節ですが、カラダの他の関節に比べると骨同士が接する面積が少ないため、そのままではグラグラしてとても不安定な状態です。
その不安定な関節をしっかり支え安定させているのが、骨と骨をつなぐ帯のような役割をしている靭帯や膝を動かすための筋肉です。
ひざ痛の原因
膝の痛みはさまざまな病気やケガ、生活習慣などがきっかけで起こるため、これが原因だと特定するのは難しいものです。
ですが膝痛が起こる人には職業や普段の生活など、膝に負担のかかる要素を持っていることが多いようです。
また年齢を重ねたり運動不足によって脚の筋肉が衰えたりすることも、膝痛の大きな原因になります。
脚の筋力が衰えると膝を支える力が弱くなり、膝関節のバランスが悪くなります。
そうすると膝への衝撃や負担が大きく増え、膝痛を起こしてしまいます。
カラダのゆがみや脚の変形も膝の痛みと関係があります。
膝が外側に膨らむO脚や内側にゆがむX脚は、それぞれ膝の内側や外側に偏って圧力がかかるため片側の関節軟骨の摩耗が極端に進み、痛みや炎症が生じやすくなります。
そのほか偏平足や外反母趾といった足の変形は、歩く際に地面から受ける衝撃を吸収し分散する足裏の役割を弱めてしまいます。
結果、足裏が吸収しきれない衝撃が膝を直撃してダメージを負わせてしまいます。
漢方での膝関節痛の考え方
漢方では関節痛のことを「痺症(ひしょう)」といいます。
痺症には主に
「行痺(こうひ)」
「痛痺(つうひ)」
「着痺(ちゃくひ)」
「熱痺(ねつひ)」という4種類に分類され、
それぞれ病態と治療方法が異なります。
行痺(こうひ)
外感頭痛とはかぜや感染症など、外部からの侵入(外邪)によって発症する頭痛であり、比較的強めの痛みが多く見られます。急性頭痛の多くは外感頭痛に該当します。
痛痺(つうひ)
痛痺の特徴は関節の痛みが固定されていて、寒さによって悪化することです。痛みで歩けなくなる場合もあります。
温めると痛みはやわらぎますが、関節運動に障害があったり、皮膚が冷たく感じたりすることもあります。
これは主に寒邪(かんじゃ)の侵入による経絡の流れの阻害、栄養(気血)の循環不良、関節部の脈絡の閉塞によるものです。
治療方針は寒邪を取り除き、脈絡を疎通、風邪や湿邪を追い出すことで、これによって痺れを取り除き、痛みをやわらげます。
着痺(ちゃくひ)
着痺は強い湿気により関節が重く、痛みや腫れが生じます。
痛みはそれほど強くありませんが、しびれたり、関節の動きが悪くなったり痛みを感じたりします。
また水分が関節内に溜まるため、関節が腫れます。
湿気は経絡の流れを遮断するため、筋肉も皮膚も麻痺したりします。
治療方針は水分を排泄させ湿邪を取り除くことで、脈絡の疎通により痛みを緩和します。
熱痺(ねつひ)
熱痺は風熱の邪(何らかの熱症状の要因)が侵入し、関節に発赤、腫れ、熱および痛みを引き起こします。
これは移動性の場合もあり、局部の紅斑や皮下結節も現れたりします。
治療方針は熱邪(ねつじゃ)の除去で、脈絡を疎通し、痺れや痛みをやわらげます。
ひざ関節痛の多くは変形性腰椎・膝関節症、腰部脊椎管狭窄症、椎間板症、骨粗鬆症など老化に伴う退行性変化によるものであり、ほとんどが手術的療法の対象にならない慢性疼痛です。
慢性疼痛は、整形外科的疾患以外に内科的・婦人科的・あるいは精神的な要因が背景にある場合もあり、その病因を明らかにすることが重要です。
手術を必要としない慢性疼痛には漢方治療が有効だと思います。
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