アトピー性皮膚炎と漢方療法

更新日:2月19日

性皮膚炎は、20歳以下のおよそ10人に1人が患っていると推測されています。近年の食環境や生活環境の急激な変化、ストレス過多により症状が悪化している人も多いといわれています。これらの影響により体の免疫が乱れたために生じた疾患のひとつといえます。

基本的な対処は、適切な漢方治療と正しいスキンケア、それに生活習慣の改善です。


アトピー性皮膚炎とは

次のような症候がみられる場合、アトピー性皮膚炎と診断されます。 (参照:日本皮膚科学会雑誌1994)

1.掻痒感(かゆみ)

アトピー性皮膚炎にはかゆみがあります。強く我慢できないかゆみがほとんどです。


2.皮疹の特徴

急激に症状が現れる急性病変




慢性的に症状が継続する病変



3.全身に及ぶ皮疹分布

 幼児期・小児期・成人期と年齢とともに皮膚の湿疹は変化していきますが、広範囲に皮膚炎が及んでいることがほとんどです。

また、左右対側性(左右とも似た部位に発症する)であり、好発部位は、額、眼のまわり、唇や口のまわり、耳たぶ、頚まわり、手足の関節、体幹です。


年齢による特徴











4.慢性もしくは反復性がある

乳児は2ヶ月以上、小児期・成人期は6か月以上を慢性とし、症状が軽くなってきたとしても後に何らかの内因・外因によって再び悪化することが多いとされています。




5.その他特徴

•遺伝的要因

両親ともにアトピー性皮膚炎の場合には約8割、片親がアトピー性皮膚炎の場合は約5割強の割合で、子がアトピー性皮膚炎を発症しているとのデータがあります。


•IgE抗体を産生しやすい(炎症反応を起こしやすい)素因をもっている。

食環境や生活環境、ストレス過多など様々な要因が考えられます。



漢方ではこう考えます

先天的要因・後天的要因について漢方的に考えると


先天的要因


先天性の体質虚弱は生命維持に必要な根源のエネルギー不足陽気の不足)です。

発育とともに備わるべき免疫機能も不十分なままで、大人になってもアレルギー疾患が治らなくなります。

そこで近年、生命の根源の陽気を高めるため体の中心部を温める方法が試されています。




後天的要因

後天的要因の大部分は胃腸の問題とされています。飲食物から得られる栄養分から

生み出される後天的なエネルギーが不足してしまうのです。

(胃腸が未熟である乳幼児に多く見られます)

エネルギー不足におちいると体内から体表部へ


栄養を移動させる力も弱まります。

また本来、正常な体液として体内で活用しなければならない水分がほかに漏れ出したりしてジクジクした湿疹になります。

さらに、慢性的な栄養不足となると皮膚がどす黒くなったりします(血行のうっ滞が発生)。

こうした後天的要因の場合、おなかを温めたり、胃腸の消化吸収機能を高める方法を行います。

さらに必要に応じて、体液や栄養素を巡らせ、新陳代謝を改善する方法を行います。





皮膚に現れる炎症・熱感について漢方的に考えると


湿熱(しつねつ)

体内の水分が本来あるべき場所に行かず、不要な水分として様々な場所にとどまり、ジクジク湿疹や水疱のように体表部に現れ出ます。

利尿を行うなどして不要な水分を代謝させます。





虚熱(きょねつ)

熱症状による体液不足・栄養不足が深刻になり、発生した熱を適度な状態に抑えることが出来なくなっています。

ひどくなると皮膚の乾燥が起きます。

熱を冷ます清熱をしながら、体液や栄養を補う補陰を行います。


腸胃蘊熱(ちょういうんねつ)血分湿熱(けつぶんしつねつ)

飲食物に辛いものや脂物を多くとった。便秘の傾向がある。ストレスが多くカッカしているなどです。

それぞれの問題点に対応を行います。



陽虚発熱(ようきょはつねつ)


体のエネルギー不足が根本原因となって炎症が発症するものを陽虚発熱といいます。

この体表部に現れる過剰な熱は、体内にあるべき熱エネルギーの消耗にもつながります。

対策としては、体内の冷えと体表部の熱が分かれてしまっている様な状態と考え、中心部の不足していたエネルギーを補い体表部に現れている過剰な熱を体の奥に引き下げる潜陽を行います。

さらに必要に応じて体内における上下、内外の巡りをつける方法を行います。



ストレスや精神疲労について漢方的に考えると

精神面による要因を内傷七情(ないしょうしちじょう)といいます(怒、喜、憂、思、悲、恐、驚の七つの感情)。

読んで字のごとく七情が強く表れたり、継続したりすると体の内側を傷つけるとされています。

内傷七情の種類によってそれぞれ特徴がありますが、エネルギーである気の巡りが悪化してしまっているのです。

緊張を緩めたり、感情を安らいだり、気の流れを正しくさせる方法を行います。


外因について漢方的に考えると

「内因があると、外因を受け易くなる」と考えます。基本的には内因などによって体の防御力が低下すると、こうした外因の影響が大きくなると考えます。


生活環境因子に対しては、高温多湿を暑邪、多湿を湿邪、寒さを寒邪、冬季など乾燥を燥邪、汗・熱・紫外線などを熱邪、ハウスダスト・ダニ・花粉などを風邪として外因を分類し、必要に応じて対応を行います。


食事環境の問題は飲食不節(いんしょくふせつ)といい、体の栄養やエネルギーの不足につながったり、不要物の産生につながったりしてしまいます。

これは内因の発生にもつながってしまいます。したがって、必要に応じて食欲不振、便秘などに対する漢方治療を加え、胃腸の機能が低下している際には胃腸の機能を回復させる方法を行います。



(細菌)感染は体の免疫機能の低下、つまり内因によってもたらされるものです。外用剤による治療と合わせて、内因を改善する漢方治療を考えます。


疲労は労倦(ろうけん)といい、体のエネルギー不足の状態といえます。慢性的に継続すると内因が発生する要因となってしまいます。

休養をとると同時に、必要に応じて疲れに対する漢方治療を考えます。


このように外因についての漢方の対応は内因の治療をベースに、必要に応じて外因に対する治療を行います。

それは、内因があると外因を受けやすく内因の改善を無くして症状の完治は無いと考えるためです。

特に体表部の生理機能を発現させるエネルギーといえる衛気(えき)を回復させることを考えます。




食べものについて漢方的に考えると

人間の体は、細菌などの異物が入ってきたときに、それを排除する「免疫」という仕組みをもっています。ところが、免疫が異常にはたらくと、体にとって不利なアレルギー症状を引き起こすことがあります。

漢方では、病気は体の免疫力である「気」と、ダニやハウスダストなどのアレルゲンである「邪気」との闘いに関係されると考えます。

食事により、体のバランスを整えて免疫力を正常に働かせることが重要です。


アトピー性皮膚炎には様々なタイプがありますが、よくみられるタイプとお勧めの食材をご紹介します。


赤くジクジクしてかゆいタイプ

玄米、はと麦、わかめ、昆布、ひじき、しじみ、あさり、きゅうり、トマト、冬瓜、菊花など


カサカサしてかゆいタイプ

鶏手羽肉、くらげ、シイタケ、なめこ、ほうれん草、トマト、小松菜、ゴマ、黒豆、プルーン、なつめ、クコの実、バナナ、ハチミツなど


皮膚が肥厚してくすんだタイプ

玄米、海藻、きくらげ、柑橘類、ウコン、ベニバナなど




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