妊娠力を低下させる
低体温、血流低下、ストレス
なんの異常もないのに赤ちゃんに恵まれない女性の多くは「基礎体温が低い」、「運動不足などによる血流低下や冷え性」、「ストレス(不安、緊張、憂鬱)」という特徴があります。
医療機関の不妊外来では、さほど問題視されていませんがこれは妊娠にとっては重要なポイントの一つです。
卵巣内の卵胞の発育や黄体の成熟、子宮内膜の増殖、受精卵を卵管で胚盤胞まで育て子宮に送りこみ、子宮内膜に着床させることなど、妊娠の至る過程のすべては、健全な血流と適切な体温が基本になっているためです。
このような女性は、運動不足の解消やストレス発散で血行を良くするほか、補腎薬、補血薬、補陽薬、理気薬に重点をおいた漢方薬で卵巣機能や低体温、冷え性の改善を目指します。
また、それと同時に活血逐瘀剤を上手に組み合わせて服用することが妊娠力を高め、赤ちゃんに恵まれる近道になっています。
お医者さんができること
と自分ができること
お医者さんが行なう不妊治療は、不妊の原因を取り除く薬物療法や内視鏡下手術(子宮鏡・卵管鏡・腹腔鏡)、原因不明の場合はタイミング療法、人工授精、体外受精といった妊娠を補助する治療を行います。
ただ一方で、お医者さんでもどうしてもできないこともあります。
それは良い卵子をつくる、子宮内膜の血流を良くする、女性ホルモンのバランスを整える、精子の運動率を良くするということです。
お医者さんができないことは、自身でかえなければなりません。
例えば冷え症の改善です。子宮の冷えは、生理痛や生理不順を招きます。
下半身の冷えは骨盤の血液の流れや働きを悪くします。
順調な排卵を妨げせっかく受精した卵子も着床しにくくなります。
これが不妊の原因になります。ですから冷え性を漢方で改善して妊娠力を高めたいのです。
妊娠しやすい身体づくりは
栄養補給と血液の流れが重要
瘀血(おけつ)と血虚(けっきょ)を整える
妊娠しやすいカラダ作りを目指すには“栄養補給と血液の全身への輸送が重要です。
例えば、妊娠と直結する子宮、卵巣や卵子もカラダの栄養をもとに健康な状態を保っています。
また、妊娠を左右する黄体ホルモンや卵胞ホルモンなどの女性ホルモンもカラダの栄養から作られます。
妊娠した後は、お腹の赤ちゃんもへその緒を通じて栄養を分けてもらうことで、とても小さな受精卵から約3,000gという大きなカラダにまで育つことができます。
カラダを栄養たっぷりの状態に保つこととその栄養を全身へ運ぶことは、自身の健康にとっても、妊活にとっても、そして赤ちゃんにとっても大切です。
漢方では栄養が不足し流れが滞るとカラダにさまざまなトラブルがでると考えています。
それが瘀血(おけつ)であり血虚(けっきょ)です。
瘀血と血虚は、中医学の考え方に基づく血の状態です。
瘀血は、血液が流れにくくなり、体の中に滞ってしまうことで起こる状態です。
血虚は血液の量や栄養が不足していることで起こる状態です。
瘀血の人は、肩こりや頭痛、手足の冷えなどの症状に悩まされやすく、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、内膜ポリープなどとも関係しているといわれております。
血虚の人は、顔色が悪く、手足が冷えやすい傾向があり貧血やめまい、動悸などの症状に悩まされやすく、肌が乾燥して色が悪く、爪や髪が弱い傾向があります。
また、倦怠感や息切れ、動悸などの症状に悩まされやすく、舌が淡白で歯型がつきやすい傾向があります。
瘀血の原因は、ストレスや冷え、運動不足などで血液の循環が悪くなることです。
血虚の原因は、食事や睡眠の不規則、月経不順などで血液の量や栄養が失われることと、消化不良などで十分に補給できないことです。
ストレスは妊娠の大敵
気滞(きたい)は生理にも大きな影響を与えます
精神、肉体的ストレスを受けると、細胞を傷つけ、卵胞、卵子の形成を妨げたり、子宮内膜を薄くするなど生殖細胞に悪影響を及ぼします。
漢方では気は、元気の源である“生命エネルギー”であると同時に、精神をコントロールする気持ちの気、さらにはカラダのすべてを動かしコントロールする“機能”でもあると考えています。
そのため気滞になり気が滞ると、カラダのあらゆるところで不具合が生じやすくなります。
気は“気持ち”という言葉があるように、喜怒哀楽など私たちの精神状態をコントロールする役割をしていると漢方では考えています。
そのため、気の巡りが良く安定している状態では精神も安定し穏やかになりますが、気の巡りが悪くなり滞ると、精神も不安定になり、イライラしやすい、怒りやすい、気持ちの浮き沈みが激しい、憂鬱になるなどの精神不安症状や、緊張しやすい、些細なことが気になる、神経質など神経症の症状が出やすくなると言われています。
気滞は生理にも大きな影響を与えます。気滞になると生理周期が安定せず、バラつきやすくなると漢方では考えています。
また、生理前に胸が張る、イライラしやすくなる、精神的に不安定になる、食欲が乱れるなどの症状も出やすくなると言われています。
これらは月経前緊張症や月経前症候群(PMS)とも呼ばれ、悩む女性も増えています。
また生理痛も出やすくなると考えられています。
気滞が原因の生理痛はお腹の張ったような痛みなのが特徴で、ストレスにより悪化しやすいと言われています。
妊娠しやすい身体づくりを
支える『腎』とは?
例えばアラフォーの妊活で一番気になるのが“年齢”です。
アラフォーは「高齢出産」と言われる世代。
高齢になって果たして赤ちゃんができるのか、子宮や卵巣の老化は大丈夫なのかなど不安はつきません。
そこで知っておいて頂きたいのが、『腎』の存在。漢方では『腎』は妊娠力を大きく左右する存在と考えられています。
妊娠率の低下の一番の要因は、『妊娠力』の低下です。
年齢を重ねるごとにカラダが衰えるのと同時に、子宮や卵巣、そして生殖能力も衰えます。
妊娠に必要不可欠な卵子の数も減少しますし、妊娠にとって大切な女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)も20代半ば~30代前半に分泌のピークを迎え、その後徐々に減少します。
特に、40歳からは急速に低下すると言われています。
このように年齢を追う毎に妊娠率は低下し、そのため妊娠しにくくなるのです。
では、みな一律に『妊娠力』が低下するのかというと、実はそうではありません。
同じアラフォー女性でも妊娠できる人とそうでない人が居るように、『妊娠力』には個人差があるのです。そして、この個人差には『腎』が大きく関わっていると漢方では考えています。
『腎』は、私たちのカラダを根底で支えるカラダの土台のような存在で、『腎』は気力や体力など生命力を維持するだけでなく、私たちのカラダの成長・発育・老化、さらには妊娠に欠かせない生殖能力もコントロールしていると漢方では考えられています。
そのため、漢方では、妊娠力は『腎』のチカラに比例すると考えられています。
『腎』が衰えると、体力が落ち、カラダが弱ったり、老化が進むだけでなく、同時に生殖能力も低下し、妊娠力も低下すると考えられているのです。
『腎』が衰えるスピードは全員一律というわけではありません。体質や生活習慣、食生活などによって少しずつ差がでます。そのため、『妊娠力』にも個人差が生まれるのです。
『腎』のチカラが衰えると生理周期が長い、基礎体温が全般的に低い、経血の量が少ない、ぐっすり眠れない、疲れやすい、腰痛がある・腰がだるい、カラダが冷える(冷え性)、白髪が多くなったなどの症状がでます。
動物パワーで妊娠しやすい身体づくりをサポート
漢方薬に使われる生薬には、植物性の生薬と動物性の生薬の大きく2種類があります。
漢方の妊活サポートでは動物性の生薬がよく使われます。
一般的に、植物性の生薬は作用がマイルドで長い時間をかけてじっくり行う体質改善に向いていると言われています。
一方、動物性の生薬は植物性の生薬に比べ作用がシャープで、即効性があるものも多く、滋養強壮剤や精力剤などにもよく配合されています。
動物性生薬には『腎』を補う働きのものが多いのも特徴で、そのため漢方の妊活サポートでは、植物性の生薬での体質改善とともに、動物性生薬による妊娠力サポートをプラスすることで包括的に妊娠へ向かってのカラダ作りをしていくことが多いのです。
≪妊活サポートでよく使われる動物性生薬≫
鹿茸 (ろくじょう) | 鹿の雄のまだ黒質化していない幼角 |
鹿角 (ろっかく) | 鹿の雄の骨化した老角 |
紫荷車 (しかしゃ) | 別名プラセンタ。ヒトの胎盤を乾燥したもの |
亀板 (きばん) | クサガメの甲板 |
牛黄 (ごおう) | 牛または水牛の胆嚢や胆管にできた結石 |
東洋医学では体質や体型、その人の置かれている生活環境に応じて多種多様な漢方薬から、その人に最適なものを処方して治療します。
一人ひとりにあったものを体調に合わせて処方するのが漢方です。じっくりと体質改善を行うことで、妊娠力を上げることが可能になるのです。
当店は完全予約制となっております。
カウンセリングと説明をさせていただきますので、まずはお電話でご予約をお願いいたします。
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