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不眠とは

不眠症は、夜間なかなか寝つけずに、普段より2時間以上かかってしまう「入眠障害」、一旦寝ついても夜中に目が覚めやすく、2回以上目が覚める「中間覚醒」、朝目覚めたときにぐっすりと眠った感じが得られない「熟眠障害」、朝普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」などの状態が、週2回以上あり、かつ少なくとも1カ月以上持続していて、不眠のため自身が苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられている状態と定義されています(日本睡眠学会)。これらの要件を満たすほどではないものの、睡眠のリズムが崩されて、眠れなかったり、眠りが浅くてすぐに起きてしまったり、朝早く目覚めてしまったりするのが「不眠」となります。


不眠の原因

不眠の原因は人によって様々です。原因によって生活習慣を見直すだけで改善する場合や、医師による治療が必要になる場合もあるなど、対処法も変わってきます。主な原因としては、加齢、環境の変化、自律神経系の乱れやストレスによる神経の高ぶり、症状(痛みやかゆみ)、精神医学的(鬱、不安)、薬理学的(薬の作用)原因と関連があると言われております。


 

漢方での不眠症の考え方

漢方では、不眠の原因は、 自律神経系の乱れと栄養不足と捉えています。「気」(目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの)のめぐりを改善し、自律神経系を整える、「血」(全身の組織や器官に栄養を与えるもの)を補って、栄養不足を改善することで不眠を改善します。漢方薬は、ストレスによる不眠か、栄養不足による不眠か、なかなか寝つけないのか、眠りが浅いのかにより処方を使い分けします。


【不安感で眠れない】気滞(きたい) 

「気滞」とは気の巡りが悪くなり、気が滞っている状態です。漢方では気は、元気の源である“生命エネルギー”であると同時に、精神をコントロールする気持ちの気、さらにはカラダのすべてを動かしコントロールする“機能”でもあると考えています。そのため気滞になり気が滞ると、気分がふさぎ、常に不安感があったり、ささいなことが気になったりして、寝付きが悪くなります。気は“気持ち”という言葉があるように、喜怒哀楽など私たちの精神状態をコントロールする役割をしていると漢方では考えていて、気の巡りが良く安定している状態では精神も安定し穏やかになりますが、気の巡りが悪くなり滞ると、精神も不安定になり、イライラしやすい、怒りやすい、気持ちの浮き沈みが激しい、憂鬱になるなどの精神不安症状や、緊張しやすい、些細なことが気になる、神経質など神経症の症状が出やすくなると言われています。


【神経過敏で眠れない】気逆(きぎゃく)

「気逆」とは、気が本来とは逆の方向に流れる状態。人は夜になると、気から生じる熱を鎮めることで眠ります。しかし、このタイプは気の熱を十分に鎮められず、寝つきが悪く、一旦寝ついても夜中に目覚めやすい傾向にあります。ささいなことが気になって落ち着かない、極度に緊張しやすく、緊張すると汗が出る、ストレスを感じやすく、神経質でそわそわしてしまう・・・これでは神経がすり減って、どんどん疲れてしまいます。

ココロが弱るとカラダも弱りますが、逆もしかり。カラダが疲れると気力やヤル気が出ないように、カラダが弱るとココロも弱りやすくなります。もともと体力がなく、カラダが弱い虚弱体質の人は、健康な人に比べ、ココロが弱りやすくストレスに弱い傾向があると漢方では考えられています。


【体力がなくて眠れない】 気血両虚(きけつりょうきょ)

「気血両虚」とは、栄養不足や過労、睡眠不足、そのほか肉体的・精神的消耗などで「気虚」や「血虚」の状態に陥ります。そのため快眠のために大切な気、血が不足し、はたらきが低下している状態になります。そうなるとぐっすり眠るエネルギーが足りないことから、「疲れているのに眠れない」「熟睡感を得られない」といった症状が起こるのです。疲れやすい、だるい、冷え症、血色不良、貧血、めまいなどが特徴です。

 

不眠症治療の現状

現在、不眠症の薬物療法の主流になっているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は即効性があり効果が確実ではあります。しかし、睡眠薬の短期・長期の副作用や睡眠薬のみに依存したくないと考えている人も多いと思います。さらには睡眠薬の服用に対して罪の意識を持つ人さえいます。このような背景から、睡眠薬の減量や離脱を目的に漢方の併用や、さらには漢方薬のみでのコントロールを希望する人が徐々に増え、不眠に対する漢方治療の必要性は増加しています。


東洋医学では、「眠りにつく」という一部分ではなく、不眠の「自然な眠りをさまたげる原因」を考慮して薬を用いるのも西洋医学とは異なるところです。直接的に眠りを誘発するのではなく、“眠れるように心身のバランスを整える”ことで、より自然なかたちで“良質な睡眠”へと導いていきます。



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