冷え症とは、寒さを感じないくらいの温度でも、全身や手足、下半身など体の一部や全身が冷えてつらい症状といわれています。
血行不良の状態である冷え症の原因は、自律神経や心臓、筋肉などのはたらきが関係していると考えられています。
女性に冷え症が多いといわれていますが、それは月経の影響などで、血が少なくなり全身に熱を運べなくなったり、腹部の血流が滞りやすくなったりすることも理由とされています。
男性の場合は、運動不足による筋肉の減少やストレス、生活習慣病による動脈硬化などがかかわっている場合が多いといわれています。
冷え症からくる症状には、肌荒れ、腰痛・頭痛、皮膚疾患、下痢・便秘、膀胱炎、などがあげられます。
冷え症の原因
冷え症の原因は内因と外因の2つに大きく分けられるといわれています。
内因としては、貧血、うっ血、自律神経のバランスの乱れ、ホルモン分泌の異常、新陳代謝機能の低下などがあります。
外因としては、薄着、湿気、冷房、夜ふかし、睡眠不足、偏った食生活、体を冷やす生野菜や果物と、甘いものの食べ過ぎなどがあります。
東洋医学の「冷え性」の考え方
冷え症の改善のためには“ただひたすら温めればよいというわけではありません。
冷え性の原因は十人十色。温めて楽になる冷え症の人もいれば、むやみに温めると、のぼせや気分が悪くなるなど、逆効果となる冷え症の人もいます。
まずは、冷え症の「証」(しょう)を知ることが重要です。
漢方では人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されていると考えられています。
「気」は目には見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの、「血(けつ)」は全身の組織や器官に栄養を与えるもの、「水(すい)」は飲食物中の水分からできた、体をうるおすもののことです。
この3つは、お互いに影響しあっています。大切なのは、この3つがバランス良くめぐっていることです。
漢方では、冷え症の場合、「血(けつ)」の不足を補って、めぐりを良くし、余分な「水(すい)」の偏りを改善したり、悪くなった「気」の流れを良くしたりして改善していきます。
気虚(気虚)
エネルギー不足
体力の低下のため「熱を作り出す力」が不足している状態。
カラダの元気を取り戻し、熱を作り出すための力を復活させることが冷え症解消の鍵になります。
まずはしっかり休むこと。
睡眠や休息をしっかりとって、エネルギーを充電しましょう。
漢方薬でカラダに元気を補おう
漢方薬でしっかり根本原因から改善して、熱を作り出せる元気なカラダを取り戻しましょう。
漢方薬の中で、カラダを温めるものを“補陽薬”といいます。
お馴染みの朝鮮人参や、桂皮、附子、黄耆などの生薬がこれにあたります。
血虚(けっきょ)
からだの栄養不足
例えば,栄養不足で炎を燃やすための薪が不足している状態。
そのため、熱を作り出す薪となる栄養をしっかり補ってあげることが、冷え症解消の鍵になります。
食生活を見直し、栄養をしっかり補給しましょう。
漢方薬でカラダに栄養を補おう
漢方薬でしっかり根本原因から改善して、栄養満点の炎を燃やせるカラダになりましょう。
漢方薬の中で、カラダに栄養を補うものを“補血薬”といいます。
当帰、芍薬、地黄、竜眼肉、酸棗仁などの生薬がこれにあたります。
気滞(きたい)
精神コントロールの滞り
ストレスや環境の変化などにより気の巡りが悪くなり、血や水を巡らせる機能が乱れて冷えやすくなきたいっている状態。
ストレスはカラダを調整する機能である自律神経(気)を乱しやすく、血の巡りや水の巡りなどカラダのさまざまな機能が連動して乱れやすくなります。
気の巡りを整え、カラダの機能を安定させることが、冷え症解消の鍵になります。
漢方薬で気の巡りを整えよう
漢方薬でしっかり根本原因から改善して、気の巡りの良いカラダに整えましょう。
漢方薬の中で、気持ちや機能を整えるものを“理気薬”といいます。
柴胡、厚朴、半夏、枳実、紫蘇、竜骨、牡蠣などの生薬がこれにあたります
瘀血(おけつ)
血の流れの滞り
血の巡りが滞っていることにより、熱がうまく行き渡らず局所的に冷えやすいのが、このタイプ。
届きにくい手足などの末端や、下半身が冷えるのが特徴です。特に“冷えのぼせ”しやすいタイプでもあります。
分かりやすく例えるなら“お風呂のお湯がかき混ぜられていない状態”。
お風呂のお湯がしっかりかき混ぜられていれば適温なのですが、放っておくと上の方が熱く、下の方が冷たくなります。
つまり、下の方が冷えやすく、反対に上の方に熱がこもりやすいため、手足や下半身が冷えやすく、その反面上半身はのぼせやすいのです。
血の巡りを整え、熱を隅々まで行き渡らせることが冷え症解消の鍵になります。
漢方薬で血の巡りを整えよう
漢方薬でしっかり根本原因から改善して、巡りの良いカラダに生まれ変わりましょう。
漢方薬の中で、血の滞りを解消し巡りを整えるものを“活血薬”といいます。
桃仁、牡丹皮、紅花、川芎、当帰などの生薬がこれにあたります。
水滞(すいたい)
水分代謝が悪く、水の排泄が停滞
水の巡りが滞っているため、溜まった水でカラダが冷やされてしまっているのが、このタイプ。
水には“低きに流れる”という性質があるため、手足や下半身に溜まって冷えやすくなります。
水の巡りを整え、カラダに溜まった余分な水を取り除くことが、冷え症解消の鍵になります。
漢方薬で水の巡りを整えよう
漢方薬でしっかり根本原因から改善して、巡りの良いカラダを取り戻しましょう。
漢方薬の中で、水の滞りを解消し巡りを整えるものを“利水薬”といいます。
茯苓、白朮、猪苓、沢瀉、ヨクイニンなどの生薬がこれにあたります。
病院では、「冷え」の治療はしていませんが、漢方には「未病」という言葉があります。
「病気ならない身体づくり」を目標にする古来中国に伝わる予防医学の原点です。
漢方では「冷え」を未病と捉えます。
これは放置しておくと将来病気になる可能性が高い状態のことで、古来中国に伝わる予防医学の原点でもあります。
当店では健康のためには、早めの対策で未病である「冷え」を改善することが大切だと考えております。
当店は完全予約制となっております。
カウンセリングと説明をさせていただきますので、まずはお電話でご予約をお願いいたします。
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